面接は「自分を語る物語」。心を動かす自己PRのストーリーテリング
皆さん、こんにちは!「あおもりHRラボ」です。
自己分析で自分の強みを見つけ、企業研究でその強みを活かせる「職能」を特定した皆さん。
いよいよ、就職活動のクライマックス、面接の準備です。
面接と聞くと、「緊張する…」「何を話せばいいんだろう…」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
多くの学生は、面接を「質問に正確に答える場」だと考えています。もちろん、それは間違いではありません。
でも、僕たちは面接を「自分という物語を語る場」と捉えることを提案します。
なぜなら、面接官が知りたいのは、あなたの「学歴」や「資格」といった表面的な情報だけではないからです。
面接官は、あなたがどんな人で、どんな価値観を持ち、入社後にどう活躍してくれるのかを知りたいのです。
そして、その答えを最も効果的に伝えるのが、あなたの「物語」です。
今回の記事では、面接官の心を掴み、共感を呼ぶ自己PRのストーリーテリング術を、具体的な方法を交えて解説していきます。
1. なぜ「ストーリー」が面接で重要なのか?
面接官があなたの話に心を動かされるのは、そこに「感情」や「人間性」が感じられるからです。
単なる事実の羅列では、あなたの魅力は伝わりません。
1.1. 面接官の記憶に残る
面接官は、一日に何人もの学生と面接をします。
「私の強みは協調性です」とだけ言っても、あなたの話は他の学生に埋もれてしまいます。
しかし、「大学の文化祭で、クラスの出し物が危機に陥った時、チームを立て直すために奔走した」という具体的な「物語」を語れば、面接官はあなたの行動を具体的にイメージし、記憶に残りやすくなります。
物語には、あなたの人柄や価値観が凝縮されているからです。
1.2. 説得力が格段に増す
「私は課題解決能力が高いです」と話すだけでは、根拠に欠けます。
しかし、「アルバイト先の売上を10%アップさせるために、お客様の声から潜在的なニーズを発見し、新メニューを提案しました」という「物語」を語れば、あなたの「課題解決能力」が、具体的な行動と結果によって裏付けられ、説得力が格段に増します。
面接官は、あなたの言葉だけでなく、その背景にある「行動」を評価します。
1.3. あなたの「コンピテンシー」が明確に伝わる
前回の記事で解説した「コンピテンシー」は、ストーリーを通じて最も効果的に伝えられます。
「なぜ、その時そう行動したのか?」という問いに答える物語の中に、あなたの「主体性」や「協調性」といった強みが自然と散りばめられます。
ストーリーを語ることで、面接官はあなたのコンピテンシーを明確に理解し、入社後の活躍を具体的にイメージできるようになります。
2. 心を動かす自己PRの「ストーリー」の作り方
では、どうすれば面接官の心を動かすような「物語」を作れるのでしょうか?
ここでは、面接でよく聞かれる「自己PR」や「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」のストーリーを作るための3つのステップを紹介します。
2.1. 結論から話す「一言でいうと?」
まず、自己PRやガクチカを話す際は、最初に結論を述べましょう。
「私が学生時代に最も力を入れたのは、カフェのアルバイトで新メニューの売上を伸ばした経験です。」
このように話すことで、面接官はあなたの話の全体像を把握でき、聞き手の集中力を高めることができます。
結論を先に伝えることで、その後に続くあなたの「物語」が、よりスムーズに頭に入ってきます。
2.2. 「STARメソッド」で物語を構成する
前回の自己分析で活用した「STARメソッド」は、自己PRのストーリーを組み立てる上でも非常に強力なツールです。
- S(Situation): どんな状況でしたか?
- T(Task): どんな課題や目標がありましたか?
- A(Action): その課題や目標に対して、あなたはどんな行動をしましたか?
- R(Result): その結果、どうなりましたか?
この順番で話すことで、あなたの経験を論理的かつ説得力のある「物語」として伝えることができます。
特に重要なのは、「A(Action)」の部分です。
「なぜ、あなたはそう行動したのか?」という、あなたの「思考プロセス」を詳しく語ることで、面接官はあなたの内面を深く理解できます。
2.3. 「強み」と「職能」と「価値観」で締めくくる
物語を語り終えたら、最後にその経験を通じて得た強みや価値観を言語化し、志望する職能と結びつけて締めくくりましょう。
- 例:「この経験から、課題の本質を見抜く力と、チームを巻き込む主体性を学びました。御社の企画職では、この強みを活かして、新たな価値を創造するプロジェクトに貢献したいと考えています。」
この締めくくり方で、あなたの「過去」の経験が、面接官が知りたい「未来」の活躍に繋がっていることを明確に伝えられます。
これは、前々回の記事で解説した「強み」「職能」「価値観」という3つのキーワードを、面接という場で実践する、最も効果的な方法です。
3. 面接は「対話」。面接官の心を開く3つのコツ
面接は一方的に話す場ではありません。面接官との「対話」を意識することで、あなたの魅力をさらに引き出すことができます。
3.1. 成果だけでなく「感情」や「葛藤」を語る
成功体験を話す際、「売上が〇〇%上がりました」という結果だけを話すのではなく、その時のあなたの「感情」も一緒に語ってみましょう。
「正直、最初は不安で、チームメンバーとの意見の食い違いに悩んだこともありました。でも…」というように、あなたの葛藤や成長のプロセスを語ることで、面接官はあなたという人間に共感し、心を動かされます。
完璧な人間を演じる必要はありません。失敗や挫折を乗り越えた経験こそが、あなたの人間としての深みを物語ります。
3.2. 面接官を「物語」に引き込む
あなたの話に面接官を引き込むには、「問いかけ」を挟むのが有効です。
「この時、どうすればお客様の心を掴めるか、皆さんならどう考えますか?」といった問いかけをすることで、面接官はあなたの話に能動的に耳を傾けてくれます。
ただし、これは自己PRやガクチカを終えた後、面接官が次の質問をするまでの間に自然に入れるのがコツです。
3.3. 謙虚さと自信を両立させる
「すごい実績がないと…」と悩む必要はありません。
大切なのは、どんな経験から、どんな強みを身につけたのかを自信を持って語ることです。
ただし、自慢話にならないよう、「チームの協力があったからこそ」「周りの人に助けられました」といった感謝の気持ちも忘れずに伝えましょう。
謙虚でありながらも、自分の強みを明確に語る姿勢は、面接官に好印象を与えます。

まとめ:面接は、最高の自分を「プレゼン」する場
面接は、決して怖いものではありません。
それは、あなたがこれまで歩んできた道のりや、努力してきたこと、そしてこれから目指す未来を、最高の形で「プレゼン」できる、またとないチャンスです。
完璧な人間を演じる必要はない
面接官は、完璧な人間を探しているのではありません。
あなたの「人間性」や「本質的な強み」を求めています。
あなたの失敗や挫折、そこから立ち直った経験も、あなたの魅力を構成する大切な要素です。
ありのままの自分を、自信を持って語りましょう。
納得のいく「物語」が自信をくれる
自分の経験を物語として語ることは、面接官に伝えるためだけのものではありません。
それは、あなたがこれまで頑張ってきたことを再認識し、自分自身を肯定するプロセスでもあります。
この連載を通して見つけた「強み」「職能」「価値観」を軸に、あなただけの物語を創り上げてください。
その物語は、あなたの就活を支える、揺るぎない自信となるでしょう。
面接の場に、あなたの最高の笑顔と、あなただけの物語を携えて、自信を持って臨んでください。
皆さんが、心から「この会社で働きたい」と思える場所と出会えることを、心から願っています。