自己理解×就活力シリーズ 第1回
「自己PRって、何をどう伝えたらいいのかわからない…」
「自分にはアピールできる経験がない気がする…」
そんな声を、毎年多くの学生から聞きます。
ですが、安心してください。“伝えるべき魅力”は、あなたの中にすでにあるのです。
この連載では、27卒の皆さんが「自分らしさ」を軸に就活に臨めるようになるための自己表現スキルを、テーマごとに6回にわたってお届けします。
第1回の今回は、就活の“顔”とも言える【自己PR】のつくり方を深掘りしていきます。
「自信がない」状態から、「これなら伝えられる!」と思えるまでをしっかりサポートします。
✅ そもそも「自己PR」とは何か?
自己PRとは、あなたが「どんな力を持っていて、どう活かせる人か」を、他者にわかりやすく伝えるものです。
「すごい経験を語ること」ではありません。
「企業が欲しがりそうなことを言うこと」でもありません。
大切なのは、“あなたの強み”を、あなた自身の言葉で語ること。
たとえ特別な成果がなかったとしても、
• 何に向き合ってきたか
• どんな困難をどう乗り越えたか
• 何を大事にして行動してきたか
そうしたプロセスを通じて見えてくる「人柄」や「思考力」こそが、本当に伝わる自己PRになります。
✅ 自己PR作成3ステップ|“自分らしさ”を言語化する方法
① 強みのタネを見つける|“自然にやってきたこと”に注目
📌 質問してみよう:
• どんな場面で、周りから感謝された?
• チームや友人から、よく頼まれる役割は?
• 自分の中で「これは大事にしているな」と感じる行動は?
たとえば:
• グループで意見が分かれたとき、自然と調整役をしていた → 協調力・対話力
• 地味な作業をコツコツ続けていた → 継続力・誠実さ
• SNS運営で投稿内容を工夫していた → 情報発信力・創造性
「無意識にやっていたこと」こそが、あなたらしさの源泉です。
② 強みが「発揮された具体的エピソード」を整理する(STAR法)
STAR法とは:
• S(Situation):どんな状況だったか?
• T(Task):その中で何が課題だったか?
• A(Action):あなたはどう行動したか?
• R(Result):その結果、何が得られたか?
③ 企業に伝える“メッセージ”として構成する
📔 構成の流れ:
1. 強みを一言で伝える(結論)
2. 強みが発揮された経験(要点)
3. 得た学びや価値観
4. 企業でどう活かしたいか
📌 自己PR例(3タイプ)
例①|調整力・対人関係型
私の強みは「状況を客観的に捉え、周囲の意見を調整する力」です。
ゼミで意見が対立した際、両者の意見を可視化し共通点を見つけることで合意形成に貢献しました。
違いを受け入れて前に進める力が自分の強みだと感じています。
御社の多様な人材が関わるプロジェクトでも、円滑なコミュニケーションに貢献できると考えています。
例②|行動力・企画型
私の強みは「新しいことに挑戦する行動力」です。
大学の広報企画で、SNSのフォロワーが少ないことに課題を感じ、自らキャンペーン企画を提案し実行、フォロワー数を1.5倍に増やしました。
チャレンジを恐れず動く姿勢を活かし、御社の広報施策に新しい価値を提供したいです。
例③|地道な努力・継続型
私の強みは「見えないところで努力を続ける継続力」です。
書道を10年以上続ける中で、毎日わずかでも練習を重ねる習慣が身につきました。
結果だけでなく、プロセスを大切にする姿勢を、業務の正確さや信頼構築にも活かしていきたいと考えています。
✅ 自己PRの“落とし穴”に注意!よくあるNG例と改善法(3タイプ)
❌ NG例1:「ただの作業の羅列」
NG:
「飲食店でバイトをしていて、注文を取り、レジをしていました」
▶ 伝わるのは仕事内容だけ。“あなたらしさ”が見えません。
✅ 改善例①|対人配慮型
注文時に相手の表情や話し方を意識し、必要があれば先回りで対応することを心がけました。
顧客満足を高めるための工夫が、常連客との信頼関係づくりにもつながりました。
✅ 改善例②|業務改善型
忙しい時間帯のレジ待ちを短くするため、スタッフ同士で役割分担のタイミングを見直し、スムーズな動線を実現しました。
チームで効率を意識して動く力を身につけました。
✅ 改善例③|気づきの行動型
単純作業に見える中でも、「どうすればもっと良くなるか?」と考える癖をつけていました。
たとえば、注文ミスを防ぐために注文メモの色分けを提案したところ、採用されてスタッフにも好評でした。
❌ NG例2:「抽象的な言葉だけ」
NG:
「私はリーダーシップがあります。チームをまとめました。」
▶ 具体性がなく、「どのように」まとめたのかが伝わりません。
✅ 改善例①|調整型リーダーシップ
サークルイベントで、メンバーの希望がバラバラだった中、全員の意見を可視化しながら進行し、納得感ある形で決定。
全体の雰囲気が良くなり、参加率も向上しました。
✅ 改善例②|フォロワー活用型
主張の強いメンバーの影に隠れていた意見に光を当てる役割を自ら担いました。
“全員が納得できる形”にするため、対話と調整を意識しました。
✅ 改善例③|巻き込み型
合宿企画を立案した際、「どうせ決まってるでしょ」と思っていた後輩の意見も取り入れました。
小さな意見を拾うことで、当日の満足度が上がり、参加者の笑顔が増えたことが嬉しかったです。
まとめ|自己PRは“自分らしさ”を伝えるチャンス
• 自己PRは、経験の大小よりも「あなたらしさ」「考え方」が伝わることが大切
• 強みは、日々の当たり前の中にある。「自分の自然な行動」を振り返ることから始めよう
• STAR法で整理し、企業にとっての“価値”として結びつけることがポイント
• 伝え方ひとつで、あなたの印象は大きく変わる!
「私に強みなんてない」と思っていた人も、
少しずつ「こういうところ、自分らしいかも」と思えたなら、それが第一歩です。
次回は【ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)】をテーマにお届けします。
自己PRとセットで語られるこのテーマ、実は“アピールよりもプロセス”がカギになります。
引き続き、一緒に“あなたらしい就活”を育てていきましょう!