面接突破|ガクチカ・自己PRで「成果」がなくても面接官を納得させるコツ

成果は出せなくてもOK!面接官の心を掴む自己PRの作り方

皆さん、こんにちは!「あおもりHRラボ」です。

就職活動で、自己PRや「学生時代に力を入れたこと(通称:ガクチカ)」について考えるとき、こんな風に悩んでいませんか?

「すごい成果がないと、面接官にアピールできない…」

「留学経験やサークルの代表経験もないから、話すことがない…」

「アルバイトしかしてないけど、それって強みになるのかな…?」

僕自身、たくさんの学生さんと面接やキャリア相談で話す中で、この悩みを本当に多く聞きます。結論から言いますね。

大丈夫、すごい成果は必要ありません!

面接官が本当に知りたいのは、あなたの「すごい成果」ではありません。

面接官が知りたいのは、あなたが「何を考え、どのように行動したのか」という、あなたの「思考プロセス」なんです。

今回の記事では、成果がなくても面接官の心を掴む自己PRの作り方を、具体的なワークを交えながら、ストーリーテリングの視点から深く解説していきます。

1. 面接官が「自己PR」で知りたい3つのこと

なぜ、面接官はあなたの「成果」ではなく「思考プロセス」を知りたいのでしょうか?

それは、あなたの「未来の活躍」を予測するためです。

面接官は、自己PRを通じて以下の3つのことを知りたいと考えています。

  1. あなたの価値観: あなたが何にモチベーションを感じ、何を大切にしているか。
  2. あなたの強み: あなたがどんな役割で、どんな力を発揮できるか。
  3. 再現性: あなたがその強みを、入社後も発揮できるか。

どれも「すごい成果」からは読み解けませんよね。

例えば、「大学の部活動で全国大会優勝」という成果があったとします。

面接官は、その成果の裏側にある「優勝という目標に向かって、どのような課題を乗り越えたのか」「チームの中でどんな役割を担ったのか」というストーリーから、あなたの価値観や強みを推測しようとします。

もし、あなたが「全国大会で優勝したこと」だけを話しても、面接官は「へぇ、すごいね」で終わってしまいます。

なぜなら、それは「あなただけの物語」になっていないからです。

2. 成果ゼロでもOK!心を掴む自己PR「STAR」の法則

では、どうすればあなたの経験を「あなただけの物語」に変えられるのでしょうか?

ここで役立つのが、自己PRの定番フレームワークSTARの法則です。

  • Situation(状況・背景)
  • Task(課題・目標)
  • Action(行動・工夫)
  • Result(結果・学び)

このフレームワークに沿って話すことで、面接官はあなたの思考プロセスを深く理解できます。

STARの法則を使った自己PRの例】

SSituation:状況・背景)

  • ダメな例: 「大学のサークルで〇〇を頑張りました。」
  • 良い例: 「私が学生時代に最も力を入れたのは、大学2年生から始めた〇〇サークルでの活動です。当時のサークルは、部員同士の交流が希薄で、イベントの参加率が低いという課題を抱えていました。」

TTask:課題・目標)

  • ダメな例: 「イベントの参加率を上げようと思いました。」
  • 良い例: 「この状況を改善するため、私は『部員全員が楽しめるイベント』を企画し、イベントの参加率を前年比150%に引き上げるという目標を立てました。」

AAction:行動・工夫)

  • ダメな例: 「SNSで宣伝を頑張りました。」
  • 良い例: 「まず、参加率が低い原因を突き止めるため、約50人の部員一人ひとりにヒアリングを行いました。すると、『イベントの内容がいつも同じで飽きてしまった』という声が多く上がりました。そこで、私は普段関わりのないメンバー同士が交流できるような『謎解き脱出ゲーム』を企画。さらに、イベント後には感想を共有する場を設けるなど、メンバーの声を反映させたイベント運営を心がけました。」
  • ポイント: ここが最も重要です。「なぜその行動を選んだのか?」というあなたの「思考」を具体的に語りましょう。

RResult:結果・学び)

  • ダメな例: 「イベントは大成功でした。」
  • 良い例: 「結果、イベントの参加率は120%に留まり、目標の150%には届きませんでした。しかし、イベント後に行ったアンケートでは『初めて話す人と仲良くなれて楽しかった』という声が多数寄せられました。この経験から、私は『相手の課題を深く理解し、解決策を提案すること』の重要性を学びました。これは、貴社の営業職で、お客様の課題解決に貢献する上で活かせる強みだと考えています。」
  • ポイント: 「成果が出なかった」としても大丈夫です。「その経験から何を学び、それを入社後どう活かすのか」という「学び」と「再現性」を語ることで、あなたの強みは十分に伝わります。

ワーク:あなたの「隠れた強み」を見つけるための深掘り術

さあ、STARの法則を理解したら、次はあなたの経験を深掘りしてみましょう。

以下のワークシートを使い、あなたの経験を「物語」に変えてみてください。

【あなたの自己PR深掘りシート】

  1. SSituation:状況・背景):あなたが学生時代に頑張った経験を一つ選んでください。(アルバイト、サークル、学業、ボランティア、なんでもOK!)
    • 選んだ経験: (例:カフェでのアルバイト)
    • 当時の状況: (例:私が働いていたカフェは、平日のランチタイムが混雑するものの、回転率が悪く、お客様を待たせてしまうことが課題でした。)
  2. TTask:課題・目標):その状況で、あなたが解決したいと思った「課題」や「目標」は何でしたか?
    • (例:お客様を待たせないように、回転率を上げて満足度を高めること。)
  3. AAction:行動・工夫):その課題を解決するために、あなたはどんな「行動」をしましたか?また、その行動にどんな「工夫」をしましたか?(ここが最も重要です!)
    • 例:レジ担当の私が、お客様の注文を待っている間に、ドリンクメニューを先に伺うように提案しました。これにより、調理担当のスタッフが準備を始められる時間を短縮しました。)
    • なぜ、その行動を選んだのですか?(思考の深掘り):
      • (例:レジとドリンク作成の間に生じている「待ち時間」に気づき、この無駄をなくせば効率が上がると考えたからです。)
  4. R(Result:結果・学び):その結果、どうなりましたか?そして、その経験から何を学びましたか?
    • 結果: (例:ドリンクの提供時間が平均3分から2分に短縮しました。)
    • 学び: (例:この経験から、私は物事の本質的な課題を見つけ、チーム全体で解決策を実行する「課題解決力」を学びました。これは、貴社の営業職で、お客様の潜在的なニーズを引き出す上で活かせる強みだと考えています。)

まとめ:あなたの「物語」こそが、最高の自己PR

就職活動は、自分という商品を、企業に売り込む時間です。

でも、そこで見せるべきは、キラキラした「成果」だけではありません。

あなたがどんな壁にぶつかり、何を考え、どう乗り越えてきたのか。

その「過程」こそが、あなたという人間を形作る、かけがえのない物語です。

面接官は、その物語を通して、あなたが「入社後にどんな壁にぶつかり、どう乗り越えてくれるのか」という未来の姿を想像します。

「成果」がなくても「学び」はある

もしかしたら、あなたの経験には目に見えるような「成果」はなかったかもしれません。

しかし、どんな経験にも必ず「学び」はあります。

  • 「アルバイトで失敗ばかりして、お客様に迷惑をかけてしまった」→「失敗から、事前準備の大切さを学びました」
  • 「サークル活動で目標を達成できなかった」→「チームをまとめることの難しさを学び、次は〇〇という工夫をしたいです」

失敗や挫折から得た「学び」は、成功体験から得たそれよりも、あなたの「人間性」や「成長する力」を深く伝えることができます。

なぜなら、人は失敗からこそ大きく成長するからです。

あなただけの「オリジナルストーリー」を語ろう

面接官は、年間で何百、何千という自己PRを聞いています。

その中で、「〇〇のアルバイトを頑張りました」というだけのありきたりな話では、あなたの印象は残りません。

大切なのは、あなたの経験に**「なぜ?」**という問いかけを何度も重ねることです。

  • なぜ、そのアルバイトを選んだの?
  • なぜ、その課題を解決しようと思ったの?
  • なぜ、その行動をとったの?

この「なぜ?」を深掘りすることで、あなたの自己PRは、他の誰にも真似できない、あなただけの「オリジナルストーリー」に変わります。

次回予告

今日のワークで、あなたの自己PRの「骨組み」は完成しました。

しかし、面接官を惹きつけるには、さらに魅力的な「肉付け」が必要です。

次回の第5回では、完成した「自己PRの骨組み」を、面接官が「もっと聞きたい!」と思うような、魅力的な「ストーリー」に変えるための話し方のコツについて解説します。

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