前回の記事では「人生観」を明確にする方法についてお伝えしました。今回は自己分析の第二の視点である「仕事観」に焦点を当てます。
仕事観とは、「自分にとって働くことはどんな意味を持つのか」「どんな仕事にやりがいを感じるのか」という価値観です。就職活動の際、自分に合った企業や職種を選ぶためには、この仕事観が重要な指針となります。
仕事観を明確にするための3つのステップ
1. 働く目的を考える
まず、「なぜ働くのか?」という根本的な問いに向き合ってみましょう。以下のような質問を自分に投げかけてください。
- 「お金を稼ぐこと以外に、仕事を通じて得たいものは何か?」
- 「どんなときに達成感や充実感を感じるか?」
- 「自分が社会に貢献できると感じる瞬間はどんなときか?」
これらの問いに対する答えは、一人ひとり異なります。大切なのは、自分の気持ちに正直になり、価値観を掘り下げることです。
2. 過去の経験を振り返る
これまでの経験の中で、「やりがいを感じた瞬間」や「逆に苦しかった経験」を思い出してみましょう。
- 達成感を感じた経験:どんな活動やプロジェクトで、何を成し遂げたときに充実感を覚えたか?
- 困難を乗り越えた経験:困難をどう乗り越え、そこからどんな学びを得たのか?
- 失敗した経験:なぜうまくいかなかったのか?その経験から気づいたことは?
これらの経験を分析することで、自分がどんな環境や状況でモチベーションが高まるのか、逆にストレスを感じるのはどんなときかが見えてきます。
3. 仕事の要素を分解して考える
「仕事」と一口に言っても、さまざまな要素があります。以下の観点から、自分がどの要素に重きを置くのかを考えてみましょう。
- 業務内容:何をする仕事が楽しいか、得意か?
- 働く環境:チームでの協力が好きか、個人作業が好きか?
- 報酬と評価:どのような成果が評価されることに満足感を覚えるか?
- 社会貢献:自分の仕事が社会にどのように役立つことに価値を感じるか?
自分が大切にするポイントを明確にすることで、理想とする仕事像が具体化します。
習慣的に取り組むためのヒント
1. 「仕事観ジャーナル」を作る
日常生活の中で、アルバイトやボランティア、授業のグループワークなど、さまざまな経験を通じて感じたことを書き留める習慣を持ちましょう。
- どんな作業が楽しかったか?
- どんなときにやる気が出たか?
- 逆に、どんな場面でモチベーションが下がったか?
この記録を続けることで、自分の仕事観に関する共通点や傾向が見えてきます。
2. 社会人との対話を通じて視野を広げる
実際に働いている人と話すことで、仕事に対する多様な価値観に触れることができます。先輩や社会人インタビュー、キャリアイベントに参加して、以下のような質問をしてみましょう。
- 「なぜ今の仕事を選んだのですか?」
- 「仕事でやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?」
- 「仕事で大変だったことと、それをどう乗り越えましたか?」
他人の経験を通じて、自分の価値観を見直すきっかけになります。
3. 小さな目標を立てて行動する
仕事観を明確にするためには、実際に行動してみることが重要です。興味のある分野での短期インターン、ボランティア、プロジェクトへの参加など、小さな挑戦を繰り返すことで、経験から学びを得られます。
例:「1か月間、接客のアルバイトをしてみる」「週末にボランティア活動に参加してみる」
行動することで、自分がどんな環境で力を発揮できるか、どんな仕事が自分に向いているのかが具体的に見えてきます。
まとめ
仕事観を明確にすることは、就職活動での企業選びやキャリア形成において重要な指針となります。しかし、焦る必要はありません。日常の経験や内省、他者との対話を通じて、少しずつ自分の価値観を磨いていきましょう。
次回は、自己分析の最後の視点「他者との関係性観」について詳しくお伝えします。お楽しみに!
【人生観・仕事観・関係性観を磨くための4回連載記事一覧 ~自己分析の始め方~】
- 第1回:1・2年生のうちに取り組むべき理由と深め方
- 第2回:自分だけの「人生観」を明確にする方法
- 第3回:自分だけの「仕事観」を見つける方法 (本記事)