インターンは、内定への近道ではない

「行けば内定に近づく」は、本当か

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

先週までの二週間で、外に出ることと、人に会うことを扱ってきた。半歩は出せただろうか。一人でも会えた人は、大きな前進だ。

今週のテーマは、「秋冬インターンを、選ぶ」。三年生にとっては、まさに今の話になる。二年生には、来年に向けた準備の話として読んでほしい。

ただ、最初に一つだけ、はっきりさせておきたいことがある。インターンの目的だ。ここを取りちがえると、時間だけが減っていく。

Chapter 1 「内定に近づくため」だけだと、外す

インターンについて学生に聞くと、多くが同じ答えを返す。「早く動いたほうが有利だから」。まちがってはいないが、それだけだと危ない。この章では、その理由を確かめておこう。

1-1 選考の前哨戦だと、思っていないか

秋になると、まわりが動き出す。「もう三社行った」「あの企業は選考に直結するらしい」。こういう声が、あちこちから聞こえてくる。

そして、多くの学生が焦る。インターンを、選考の前哨戦だと思うようになる。たしかに、参加が選考に影響する企業はある。それは事実だ。ただ、そこだけを見て動くと、あとで苦しくなる。なぜなら、有利かどうかで選ぶと、自分に合わない企業ばかり回ることになるからだ。しかも、有利さは相手の都合で決まる。自分では、まったく制御できない。

「有利かどうか」で選んでいないか、一度確かめてほしい。他人の基準で動くと、消耗だけが残ることがある。焦りは、判断をいちばん鈍らせる。まわりの動きは、いったん脇に置いていい。

1-2 目的がずれると、行動もずれる

目的をまちがえると、参加中の行動まで変わってしまう。ここが、いちばん大きな損失になる。

「評価されたい」が目的になると、グループワークで発言回数を稼ぎにいったり、社員の前でだけ張りきったりする。表面をつくることに、意識が向いてしまうのだ。一方、「確かめたい」が目的なら、行動は変わる。人の様子をよく見て、質問をして、自分の反応を観察する。同じ場にいても、持ち帰るものがまったくちがう。しかも、後者のほうが、結果的に評価も高い。自然だからだ。

参加する前に、「評価されに行くのか、確かめに行くのか」を決めてほしい。この一点で、当日の行動が変わる。そして、行動が変われば、持ち帰る量も変わる。決めるのは、応募する前がいい。

1-3 「参加した」は、実績にならない

もう一つ、はっきり言っておきたいことがある。インターンに参加した事実そのものは、実績にならない。

八月の連載でも書いたが、企業が見ているのは成果の大きさではなく、過程だ。「三社のインターンに参加しました」だけでは、何も伝わらない。「そこで何を確かめ、何に気づき、何を変えたか」まで語れて、初めて材料になる。逆に言えば、一社しか行っていなくても、深く持ち帰った人は十分に語れる。数を集めることが目的化すると、ここを見落としてしまう。参加は、手段にすぎない。

「何社行ったか」ではなく、「何を持ち帰ったか」で数えてほしい。数だけ増やしても、話す中身は増えない。一社を深く経験するほうが、はるかに強い。中身のない数は、あとで自分を苦しめる。

1-4 企業側の目的も、一つではない

学生が誤解しやすいのが、企業側の意図だ。すべてのインターンが、採用のために開かれているわけではない。

目的はいくつかある。純粋に、業界や仕事を知ってもらいたい場合。企業の名前を、学生に覚えてもらいたい場合。そして、たしかに、早期に人材を見極めたい場合もある。この三つは、混ざって存在している。だから、「選考に関係あるのか」を気にしすぎても、答えは出ない。企業ごとに、目的が異なるからだ。それより、あなた自身の目的をはっきりさせるほうが、はるかに実用的である。

相手の意図を読むより、自分の目的を決めることに時間を使ってほしい。そのほうが、確実に前に進める。読めないものを読もうとしても、時間が減るだけだ。

Chapter 2 インターンで、本当に得られるもの

では、インターンでは何が手に入るのか。ここを具体的にしておくと、選び方も変わってくる。この章では、四つに整理して紹介する。どれも、参加しないと得られないものだ。

2-1 1つ目、仕事の手ざわり

いちばん大きいのは、仕事の手ざわりがわかることだ。これは、話を聞くだけでは届かない領域である。

先週、人に会う意味を扱った。でも、聞いた話と、自分でやってみるのとでは、やはりちがう。実際に手を動かすと、その仕事の速さ、細かさ、地道さがわかる。「思っていたより、資料をつくる時間が長い」「人と話す時間は、意外と短い」。こうした感覚は、体験しないと手に入らない。しかも、この手ざわりが合うかどうかは、長く働けるかを左右する。

「やってみて、どう感じたか」を、いちばんの収穫にしてほしい。頭で理解するのと、手で触れるのは、別のことだ。合う合わないは、身体のほうが先に答えを出す。その感覚を、軽く見ないでほしい。

2-2 2つ目、働く人の姿

2つ目は、そこで働いている人たちの姿だ。ここは、先週扱った観察が、そのまま生きる。

インターンでは、社員の人と長い時間を過ごす。だから、説明会の1時間では見えないものが見えてくる。忙しいときの表情。若手が先輩に相談する場面。休憩時間の会話。3日いれば、3日ぶんの素の姿が見られる。しかも、こちらが学生なので、多くの人が自然に接してくれる。「人・場・自分」の3つの型を、そのまま持ちこめばいい。

インターン中は、社員の方の様子を、意識して見てほしい。仕事の内容と同じくらい、そこに情報がある。何日かいると、素の姿が自然と表に出てくる。しかも、それは資料には決して載らない。見た記憶は、その日のうちに残しておこう。

2-3 3つ目、自分の反応

3つ目は、あなた自身のことだ。じつは、これがいちばん大事かもしれない。

インターンの本当の価値は、その場に置かれた自分がどう反応するかを確かめられることにある。作業に没頭できたか。人と話す場面で、疲れたか、楽しかったか。数字を扱うとき、面白いと感じたか。こうした反応は、想像では出てこない。実際にその状況に身を置かないと、わからないのだ。8月の連載で書いた「感情は、価値観が反応した証拠」という話が、ここでも当てはまる。

自分の反応を、外から眺めるつもりで参加してほしい。企業を見に行くだけでなく、自分を見に行く場でもある。むしろ、こちらのほうが長く役に立つ。企業は変わっても、自分は変わらないからだ。ここで得た手ごたえは、次の選択にも効いてくる。

2-4 4つ目、語れる経験

4つ目は、実務的な効果だ。きちんと取り組めば、面接で語れる経験になる。

ただし、これは「参加した」ではなく「取り組んだ」場合に限る。グループワークで自分が何を担い、どこでつまずき、どう工夫したか。ここまであれば、立派な材料になる。8月に扱った「事実に、意図と変化を足す」を、そのまま使えばいい。しかも、インターンは短期間で完結するので、話の構造をつくりやすい。うまく取り組めば、1社の経験でも、十分に厚い話になる。

参加中から、「後で語るならどこか」を意識してみてほしい。その意識があるだけで、取り組み方が変わる。終わってから思い出そうとしても、たいてい遅い。その日のうちに、3行でいいから書いておこう。

Chapter 3 短期と長期、それぞれの意味

インターンには、1日で終わるものから、数か月続くものまである。どれがいいかは、目的と学年による。この章では、それぞれの向き不向きを整理しておこう。

3-1 1日型で、得られること・得られないこと

まずは、1日型だ。「1day」と呼ばれるもので、いちばん数が多い。

得られるのは、業界と会社の概要、そして雰囲気だ。半日から1日あれば、社員の様子や社内の空気は十分に感じられる。一方、得られないものもある。実務の手ざわりは、ほとんどわからない。会社説明会に、ワークがついた形だと考えたほうが正確だ。だから、1日型は「絞りこむため」に使うといい。広く浅く回って、気になったところに、次はもっと深く関わる。この使い方なら、価値は十分にある。

1日型は、比較のために使ってほしい。深さは求めず、広さを取りにいく。それが、正しい使い方だ。期待をまちがえなければ、十分に役に立つ形式である。次につなげる入口だと考えよう。

3-2 数日型は、比べるのに向いている

3日から1週間ほどの形は、3日型と長期型のあいだにある。バランスがいいので、多くの学生に勧めやすい。

この長さがあると、社員と何度も話せる。同じ人の、ちがう場面を見られる。しかも、グループワークがあれば、自分の動き方も観察できる。学業との両立もしやすく、複数社に参加できる。先週書いたとおり、比べる基準は三社目くらいから育ってくる。数日型を3社経験できれば、その基準はかなりはっきりしてくるはずだ。秋冬なら、この形がいちばん現実的だろう。

秋冬は、数日型を中心に組み立ててほしい。3社まわれば、自分の判断軸が見えてくる。学業との両立も、この長さならしやすい。無理のない範囲で、計画を立ててほしい。3社なら、秋冬のうちに十分まわれる。

3-3 長期型は、実務に触れられる

数週間から数か月の長期型は、得られるものが、はっきりちがう。実務そのものに触れられるからだ。

任される仕事があり、責任があり、結果が出る。だから、仕事の手ざわりが、いちばん深くわかる。しかも、長くいるぶん、その組織の良いところも、そうでないところも見えてくる。ただし、時間の負担は大きい。学業やアルバイトとの調整が必要になる。1・2年生で時間に余裕があるなら、この形は強く勧めたい。3年生でも、志望が固まっている分野なら、価値は大きい。

時間がつくれるなら、長期型を1つ経験してほしい。得られるものの深さが、まるでちがってくる。しかも、これは8月に書いた「やりとげた経験」にもなる。一つあるだけで、話せる材料が大きく増える。

3-4 学年によって、選び方は変わる

同じインターンでも、学年によって使い方は変わる。ここは、分けて書いておきたい。

3年生は、秋冬が本番になる。数日型を中心に、志望が近い分野を三社ほど。そして、可能なら長期型を1つ。時間は限られているので、目的を絞って選ぶことが大事だ。1・2年生は、まだ絞る必要がない。むしろ、知らない業界にこそ行ってほしい。「自分には関係ない」と思っていた分野が、いちばん面白かった、ということが本当によくある。この時期は、視野を広げるほうが得だ。

自分の学年に合った使い方を選んでほしい。3年生は絞る。1・2年生は広げる。この差は、はっきりある。まわりと同じ動き方をする必要は、まったくない。自分の学年と目的に、素直に合わせよう。

Chapter 4 自分の目的を、先に決める

ここまでで、インターンの中身は整理できたと思う。最後は、応募の前にやっておくべきことだ。この章では、自分の目的をどう決めるかを、具体的に扱う。ここが決まると、選ぶのが一気に楽になる。

4-1 目的がないまま応募すると、消耗する

秋になると、募集情報が大量に流れてくる。目についたものから応募していくと、たいてい消耗する。

理由は二つある。1つは、エントリーシートを書くたびに、志望動機を絞り出さなければならないこと。目的がないと、この作業がとてもつらい。もう1つは、落ちたときに立ち直りにくいことだ。なぜ受けたのかがあいまいだと、落ちた意味も整理できない。ただ傷だけが残る。逆に、目的がはっきりしていれば、「今回は合わなかった」と処理できる。目的は、選ぶためだけでなく、心を守るためにもある。

応募を始める前に、目的を一つ決めてほしい。決めるのに、30分もかからない。この30分が、秋を守ってくれる。走り出す前に、方向を決めておこう。

4-2 目的は、1つに絞る

目的を決めるとき、欲張って複数並べたくなる。でも、そこは1つに絞ったほうがいい。

「業界を知りたい」「自分の適性を確かめたい」「選考にも有利になりたい」。3つ並べると、どれも中途半端になる。しかも、選ぶ基準が増えるので、決められなくなる。だから、この秋のあいだは1つだけ。たとえば「人と関わる仕事が自分に合うかを確かめる」。これに決めたら、応募先も、参加中の行動も、そこから逆算できる。8月に扱った「一点突破」と、同じ考え方だ。

この秋の目的を、1行で決めてほしい。1つに絞ると、迷いが半分に減る。あとは、そこに向かって動くだけだ。途中で変わったら、そのとき決め直せばいい。決め直すことは、まったく悪いことではない。

4-3 「確かめたいこと」を、1行で書く

目的を、もう少し具体的にする方法がある。「確かめたいこと」の形に書き直すのだ。

「業界を知りたい」ではなく、「メーカーの営業は、本当に人と話す時間が長いのかを確かめる」。「適性を知りたい」ではなく、「細かい作業が続く仕事に、自分は耐えられるかを確かめる」。この形にすると、参加中に見るべきものが自動的に決まる。しかも、参加後に「確かめられたかどうか」で振り返れる。第一週で書いた「問いを1つ持って行く」を、インターン用にしたものだと考えてほしい。

目的を、「〇〇を確かめる」という一行に直してほしい。この1行が、参加中の行動を導いてくれる。書いたら、スマホのメモに入れておこう。当日、見返すだけで行動が変わってくる。

4-4 参加社数は、多ければいいわけではない

最後に、社数の話をしておく。ここも、焦りが出やすいところだ。

まわりが「5社行った」と言い出すと、不安になる。でも、数を競う必要はまったくない。目安としては、秋冬で3社から5社。それ以上になると、1社あたりの準備と振り返りが薄くなる。しかも、学業がおろそかになれば、本末転倒だ。先ほども書いたが、企業が見るのは数ではなく中身である。3社を深く経験した学生のほうが、10社を流した学生より、はるかに語れることが多い。

社数は、3社から5社を目安にしてほしい。多く回るより、1社ずつ深く持ち帰るほうが、確実に効く。まわりの数字は、気にしなくていい。振り返る時間まで含めて、計画を立ててほしい。学業を守ることも、立派な準備の1つだ。

今日のまとめ

インターンを「内定への近道」だと思って動くと、あとで苦しくなる。有利さは相手の都合で決まるので、自分では制御できないからだ。他人の基準で動くと、消耗だけが残る。

そして、目的がずれると行動もずれる。「評価されに行く」と、表面をつくることに意識が向く。「確かめに行く」なら、よく見て、質問して、自分の反応を観察する。同じ場にいても、持ち帰るものがちがってくる。

インターンで得られるものは、4つある。仕事の手ざわり。働く人の姿。そして、自分自身の反応。最後に、きちんと取り組めば、語れる経験になる。ただし「参加した」ではなく「取り組んだ」場合に限る。

形については、1日型は比較のため、数日型は基準を育てるため、長期型は実務に触れるため。秋冬なら数日型を中心に、時間がつくれるなら長期型を1つ。3年生は絞り、1・2年生は広げる。

そして、応募の前に目的を1つだけ決める。しかも、「〇〇を確かめる」という1行の形にする。この1行が、参加中の行動を導いてくれる。社数は、3社から5社で十分だ。

明日は、選び方をもっと具体的に扱う。知名度で選ぶと後悔する理由、「確かめたいこと」から逆算する方法、そして応募の実務まで。一緒に見ていこう。

インターンは、内定のためではなく、確かめるためにあると、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

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