Z世代が主役!自律型人財を育む育成戦略の再構築(後編)
人事担当者、そして経営者の皆さん、こんにちは!
『成果を最大化する人事戦略:実践ロードマップ』、第2回目です。
前回は、Z世代の特性を活かし、彼らを組織の主役として育成するための「自律型人財」の必要性と、その鍵となる「コーチング型マネジメント」について解説しました。
「コーチング型マネジメントの重要性は分かったけど、具体的に何をすればいいの?」
「どんなプログラムを導入すれば、Z世代はもっと成長してくれるんだろう?」
そうお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今日はその疑問にお答えする後編として、具体的な育成プログラムの設計と、評価・フィードバックを育成に連動させる方法について、さらに深く掘り下げていきます。
Z世代が持つポテンシャルを最大限に引き出し、彼らが自ら学び、成長し、組織に貢献し続けるための具体的なロードマップを共に描いていきましょう。
1. Z世代の自律性を育む具体的な育成プログラム設計
「コーチング型マネジメント」は日々のコミュニケーションの質を高めるものですが、それに加えて体系的な育成プログラムを導入することで、Z世代の自律的な成長を加速させることができます。
1.1 メンター制度の再考:斜めの関係で安心感を醸成
従来のOJT(On-the-Job Training)が「縦の関係」であるのに対し、メンター制度は部署や役職を越えた「斜めの関係」で、若手社員の心理的安全性を高めます。
- Z世代への効果: 正解がないことに対する不安を解消し、キャリアやプライベートな悩みも相談しやすい環境を提供。
- 設計のポイント:
- メンターの選定: 経験豊富なだけでなく、傾聴力があり、Z世代の価値観を理解しようとする姿勢のある社員を選びましょう。
- メンター研修: コーチングスキル、Z世代の特性、守秘義務など、メンターとしての役割を明確にする研修が不可欠です。
- 定期的な面談設定: 月に1回など、定期的に面談の機会を設け、メンティーが気軽に相談できる時間を確保します。
- 目標設定の支援: メンティー自身が目標を設定し、その達成に向けて自律的に動けるよう、メンターが伴走する形が理想です。
- 設計のポイント:


1.2 オンライン学習プラットフォームの活用:いつでも・どこでも・必要な学びを
デジタルネイティブであるZ世代は、オンラインでの学習に抵抗がありません。場所や時間を選ばずに学べる環境は、彼らの学習意欲を刺激します。
- Z世代への効果: 自身の興味や必要に応じて、主体的に学びを選択できる自由を提供。
- 設計のポイント:
- コンテンツの多様性: 業務知識だけでなく、ビジネススキル、DX関連スキル、語学、メンタルヘルスなど、幅広い分野のコンテンツを用意しましょう。
- マイクロラーニングの導入: 短時間で学べる動画や記事など、スキマ時間を活用できるコンテンツを充実させます。
- ゲーミフィケーション要素: 学習の進捗を可視化したり、ランキング形式にしたりするなど、ゲーム性を取り入れることで、飽きずに学べる工夫も有効です。
- 実践への繋げ方: 学んだ内容を業務で試す機会を与えたり、社内での発表会を設けたりするなど、アウトプットの場も用意しましょう。
- 設計のポイント:
1.3 部署横断プロジェクト・社内公募制度:挑戦と越境学習の機会
既存の枠組みを超えた挑戦は、Z世代の成長意欲と貢献意欲を同時に満たします。
- Z世代への効果: 多様な視点やスキルに触れ、自身の専門性を広げる機会を提供。
- 設計のポイント:
- 明確な目的と期間: プロジェクトの目的と期間を明確にし、達成目標を設定します。
- 多様なメンバー構成: 異なる部署、年齢、バックグラウンドを持つメンバーで構成することで、新しい化学反応を促します。
- リーダーシップ経験: Z世代にもプロジェクトリーダーやサブリーダーを任せることで、主体性や責任感を育む機会を与えましょう。
- 社内公募制度: 自身の意思で挑戦したい仕事やプロジェクトを選べる制度は、社員のエンゲージメントを飛躍的に高めます。
- 設計のポイント:
2. 育成効果を最大化する「評価」と「フィードバック」の連動
どんなに素晴らしい育成プログラムも、適切な評価とフィードバックがなければ、その効果は半減します。Z世代が納得し、次へと繋がる評価・フィードバックのポイントを見ていきましょう。
2.1 評価:プロセスと行動を重視する多面評価
従来の成果主義に偏りがちな評価から、プロセスや行動、そして定性的な成長も重視する評価体系への転換が必要です。
- Z世代への効果: 結果だけでなく、努力や挑戦の過程が認められることで、安心して挑戦できる土壌を築きます。
- 設計のポイント:
- 目標設定の明確化: 定量的な目標だけでなく、期待する行動や姿勢(例:チームへの貢献、新しい学習)も目標に含めます。
- 多面評価(360度評価)の導入: 上司だけでなく、同僚や部下からのフィードバックも取り入れることで、多角的な自己認識を促します。
- 定期的な進捗確認: 期末だけでなく、四半期ごとなど、短期間での進捗確認と擦り合わせの場を設けます。
- 設計のポイント:
2.2 フィードバック:未来志向でポジティブな対話を重視
フィードバックは、Z世代の成長にとって最も重要な要素の一つです。一方的な「評価」ではなく、未来に向けた「対話」を意識しましょう。
- Z世代への効果: 自身の強みと課題を理解し、次へと繋がる具体的な行動を明確にできます。
- 実践のポイント:
- 具体的に伝える: 「頑張ったね」だけでなく、「〇〇の件で、君の△△な行動がチームに貢献したよ」といったように、具体的エピソードを交えて伝えます。
- 双方向の対話: 上司からの一方的な伝達ではなく、部下自身の自己評価や意見を聞く時間を十分に確保し、対話を通じて認識のすり合わせを行います。
- タイミング: タイムリーにフィードバックを行うことで、学びを即座に次の行動に活かすことができます。
- ポジティブな部分から伝える(SBIモデルなど): 「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の順で伝えることで、相手は客観的に受け止めやすくなります。まずは良い点から伝え、安心感を与えましょう。
- 「なぜ?」ではなく「どうすれば?」と問いかける: 課題を指摘する際も、「なぜできなかった?」ではなく、「次、どうすればもっと良くなると思う?」と未来志向の質問で、自律的な解決策を促します。
- 具体的に伝える: 「頑張ったね」だけでなく、「〇〇の件で、君の△△な行動がチームに貢献したよ」といったように、具体的エピソードを交えて伝えます。
- 実践のポイント:
まとめ:自律型人財育成で、持続可能な組織の未来を創る
人事担当者の皆さん、2回にわたるZ世代の育成戦略、いかがでしたでしょうか。
Z世代を「主役」とする自律型人財の育成は、単に若手社員を育てるだけでなく、組織全体の活性化と持続的成長に不可欠な戦略です。メンター制度やオンライン学習、越境学習の機会提供、そしてプロセスと未来を重視した評価・フィードバックを組み合わせることで、彼らの持つ無限の可能性を引き出すことができます。
「Z世代の育成に課題を感じている」
「社員の自律性を高め、組織のエンゲージメントを向上させたい」
そうお考えの青森県内の企業様へ。
私たち「あおもりHRラボ」は、Z世代の特性を深く理解し、彼らと共に『善くはたらく』組織文化を創造するための、「自分力を育てるTA心理学講座」や、組織開発支援を提供しています。
8月9日(土)・30日(土)、9月13日(土)に開催する「自分力を育てるTA心理学講座」では、社員が自身のコミュニケーションスタイルや他者のスタイルを理解し、相互理解を深めることで、心理的安全性の高い、よりオープンな組織文化を築くための実践的なスキルを習得できます。これは、自律型人財を育む土台となるコミュニケーション力、フィードバック力の向上に直結します。
貴社のZ世代社員が、組織の未来を切り拓く強力なリーダーとして活躍できるよう、ぜひこの機会をご活用ください。私たちは、貴社の「善くはたらく」組織づくりを、心から応援しています!
詳細はこちらから今すぐチェック! → 自分力を育てるTA心理学講座