答えは自分の中にある!あなたの「仕事観」を言語化するヒント
みなさん、こんにちは。
前回の記事で、自分の「人生観」を深掘りするワークに取り組んでみて、いかがでしたか?漠然としていたあなたの価値観が、少しずつ言葉になってきたのではないでしょうか。
さて、人生観が明確になったら、次のステップは「仕事観」を考えることです。
「やりたい仕事が見つからない」「興味のある業界がない」と悩んでいる人は多いですが、それは当たり前のことです。なぜなら、本当に大切なのは「やりたいこと」を見つけることではなく、「どう働きたいか」という自分らしい働き方の軸を見つけることだからです。
今日の記事では、前回のワークで言語化したあなたの人生観と、仕事がどう結びつくのかを具体的に解説します。あなたの心の中にある答えを見つける旅に、一緒に出かけましょう。
1. あなたの人生観と仕事を結びつける
なぜ、人生観が仕事観に繋がるのでしょうか?それは、仕事が私たちの人生の大部分を占めているからです。私たちは、人生の多くの時間を仕事に費やします。だからこそ、仕事に対する考え方、つまり「仕事観」は、人生全体の幸福度を大きく左右するのです。ピーター・ドラッカーは「知識労働者は、自分自身をマネジメントしなければならない」と述べました。これは、自分自身の人生の目的と、仕事の目的を一致させることが、充実したキャリアを送る上で不可欠だというメッセージです。人生観が明確であれば、仕事選びの際に、単に会社の知名度や給料だけでなく、自分の価値観に合った働き方ができるかという、本質的な視点を持つことができます。
1.1. 「働くこと」の多面的な価値を理解する
多くの学生は、仕事を「お金を稼ぐための手段」と捉えがちです。それも一つの側面ですが、仕事には他にもたくさんの価値があります。あなたの人生観に照らし合わせ、どの価値を仕事に最も求めるのかを考えることが、仕事観を明確にする第一歩となります。
・自己実現の場: 自分の能力やスキルを最大限に発揮し、成長していく場。
・社会貢献の場: 自分の仕事を通じて、誰かの役に立ち、社会に価値を提供する場。
・他者との繋がりの場: チームや組織の一員として、仲間と協力し、目標を達成していく場。
1.2. 「仕事観」を定義する2つの質問
あなたの仕事観を明確にするために、以下の2つの質問を自分に問いかけてみてください。どちらかが正解というわけではなく、自己理解を深めるための問いです。
・あなたにとって、仕事は「生活の糧」ですか?それとも「自己実現の手段」ですか?
生活の安定を重視するなら「生活の糧」としての側面が強いでしょう。一方で、自己成長や社会への影響を重視するなら「自己実現の手段」としての側面が強くなります。
・働く上で、最も避けたいことは何ですか?
「人から指示されるばかりの働き方は嫌だ」「毎日同じことの繰り返しは避けたい」など、ネガティブな側面から考えることも有効です。避けたい働き方を明確にすることで、本当に自分が求める働き方の輪郭が浮かび上がってきます。
2. 「価値観ワード」から仕事のヒントを見つけるワーク
前回のワークで書き出した「価値観ワード」を、ぜひ手元に用意してください。前回は漠然とした言葉でしたが、今回は、そのワードを軸に、具体的な仕事のスタイルや企業の特徴を考えていく実践的なワークを行います。このワークを一つずつ丁寧にこなしていくことで、「やりたいこと」が明確になり、就職活動の具体的な行動へと繋げることができるようになります。
2.1. 価値観ワードと仕事のスタイルを結びつける
まず、前回のワークであなたが選んだ価値観ワードを一つ取り上げてください。そして、その価値観が満たされそうな「仕事のスタイル」を考えてみましょう。抽象的な価値観を、具体的な働き方に変換していくことが重要です。
・「成長」という価値観を選んだあなた → 「若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる」「新しいプロジェクトに挑戦できる」「教育・研修制度が充実している」といった仕事のスタイルが合うかもしれません。
・「安定」という価値観を選んだあなた → 「創業から長い歴史を持つ」「特定の分野で高いシェアを誇る」「福利厚生や手当が充実している」といった仕事のスタイルが合うかもしれません。
2.2. 価値観から見る企業の「文化」
企業選びは、事業内容や職種だけでなく、「その企業がどんな文化を持っているか」という視点が非常に大切です。これは、あなたの仕事観がどれだけ実現できるかに関わってきます。例えば、「協調」という価値観を大切にするなら、部署間の壁が低い企業文化が合うでしょう。企業研究をする際には、ウェブサイトの「社員インタビュー」や「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」をよく読み込み、その企業の文化があなたの価値観と一致するかを判断する材料にしましょう。
2.3. ネガティブな価値観をポジティブな仕事観に変換する
「競争」という言葉にネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、それを「切磋琢磨」と捉えれば、お互いを高め合うポジティブな仕事観に変わります。このように、ネガティブな価値観を掘り下げて、それを満たすためにはどのような働き方が必要かを考えることも、自己理解を深める上で有効な方法です。
3. ワーク:価値観ワードから「仕事のスタイル」を具体的に書き出す
さあ、いよいよ実践です。前回のワークで選んだ5つの価値観ワードのうち、最も重要だと思うものを3つ選んで、以下のワークに取り組んでみましょう。このワークを丁寧に実践することで、あなただけの「仕事観」という軸が少しずつ形になっていきます。就職活動におけるすべての選択の場面で、この軸があなたの意思決定を助けてくれるでしょう。
・あなたの価値観ワード:
・その価値観に合う「仕事のスタイル」や「企業の特徴」を具体的に書き出す:
例)
価値観ワード:「貢献」
└ 仕事のスタイル: 困っている人を直接支援する、自分の仕事が社会課題の解決につながる、自分の仕事の成果が数値だけでなく感謝の言葉で返ってくる
└ 企業の特徴: 社会貢献活動に積極的、従業員満足度を重視している、顧客の声に耳を傾ける文化がある
4. 企業研究で「仕事観」をさらに深める
自分の仕事観が少しずつ見えてきたら、次は企業研究です。企業の採用サイトや求人情報を見る際に、給与や職種だけでなく、「仕事のスタイル」に注目してみましょう。このステップを踏むことで、あなたの仕事観と企業の特徴を照らし合わせることができ、本当に自分に合った企業を見つけることができるようになります。
4.1. 社員インタビューの「行間」を読む
企業の採用サイトにある社員インタビューは、その会社で働く人々の価値観や働き方を知る上で非常に重要です。「仕事のやりがいは何ですか?」という質問に対する答えの中に、あなたの価値観と共通する言葉がないか探してみましょう。例えば、「チームで目標を達成したとき」という答えがあれば、「協調性」や「達成感」を重視する文化があるかもしれません。
4.2. OB・OG訪問を「仕事観の確認」の場に
OB・OG訪問は、直接その企業で働く人から話を聞ける貴重な機会です。この機会を「仕事観の確認」の場として最大限に活用しましょう。質問の際には、「この仕事で最も大変なことは何ですか?」や「この会社で働く上で、最も大切にされていることは何だと思いますか?」といった、具体的な働き方や文化に踏み込んだ質問をすることで、あなたの仕事観に合っているかを見極めることができます。
4.3. 企業のパーパス(存在意義)を読み解く
企業にはそれぞれ、社会における存在意義を示す「パーパス」や「ミッション」があります。このパーパスにあなたの価値観が共鳴するかどうかを考えてみましょう。たとえば、「社会の課題を解決する」というパーパスを持つ企業に、「安定」を求める仕事観を持つ人が入社しても、ミスマッチが起こる可能性があります。企業のパーパスと自分の仕事観が一致しているかを見極めることは、入社後の満足度を大きく左右します。

5. まとめ:あなたの「やりたいこと」は、既にあなたの中にある
今日の記事では、人生観から「仕事観」を導き出す方法を解説しました。
5.1. 答えは「探す」のではなく「見つける」もの
「やりたいこと」は、外の世界に答えを探すものではありません。あなたの心の中にある「価値観」を丁寧に紐解いていくことで、自然と見つかるものです。今日のワークを実践することで、あなたは、自分がどんな働き方をすれば、最も輝けるのかを知ることができます。そして、このワークを面倒がらずに丁寧に向き合ってください。このワークを雑に行ったり、あるいはすっぽかした学生に多く見られることに、内定がなかなか得ることができなくて、就職活動そのものに悩みを抱えることです。
5.2. 迷いを自信に変える一歩を踏み出す
ピーター・ドラッカーは「目標がなければ、何者でもない」と述べました。あなたの人生観から導き出された仕事観は、就職活動における迷いを自信に変える強固な「軸」となります。
この軸を胸に、明日からの就職活動に臨んでください。皆さんの挑戦を心から応援しています。