「欲」は、あなたを動かす最強のエンジン。本音で語る「Having(手に入れたいもの)」の可視化
皆さん、こんにちは。あおラボは、あなたらしく輝けるキャリア形成と就活の支援をしています。
連載2日目の今日、私たちは「Being(あり方)」という内面的な土台の上に、具体的な「未来の果実」を思い描く作業に入ります。昨日のワークで「自分はどうありたいか」という北極星を見つけた皆さん。今日は、その北極星に向かって進んだ先に、一体どんな景色が広がり、あなたは何を手にしているのかを、徹底的に言語化していきましょう。
「お金が欲しい」「自由な時間が欲しい」「尊敬される存在になりたい」……。就職活動やキャリア相談の場で、こうした「欲求」を口にすることを、どこか恥ずかしい、あるいは不謹慎だと感じてしまう学生は少なくありません。しかし、断言します。自分の欲求(Having)に蓋をしたまま、社会貢献(Giving)を語ることはできません。本音の「手に入れたいもの」こそが、困難に直面したときにあなたを突き動かす、最も純粋で強力なエンジンになるからです。
27卒の皆さんは、企業選びの「物差し」として。28卒・29卒の皆さんは、これからの大学生活をどうデザインするかのアクションプランとして。そして高校生の皆さんは、未来の可能性を広げるイマジネーションとして。この「Having」の探求を、共に進めていきましょう。
1章:なぜ「Having(欲求)」を隠してはいけないのか? ―自己欺瞞を超えたモチベーションの源泉―
キャリア形成において、多くの学生が陥る「罠」があります。それは、社会や企業から「正解」とされる目標を、自分の目標だと思い込んでしまうことです。しかし、自分を偽った目標設定は、いつか必ず息切れを起こします。
マズローの欲求階層説から紐解くキャリアの土台
心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求を5段階のピラミッドで表しました。最下層には「生理的欲求」や「安全欲求」があり、その上に「社会的欲求」「承認欲求」、そして最上位に「自己実現欲求」が位置します。
「社会に貢献したい(自己実現)」という想いは素晴らしいものですが、その土台となる「安心して暮らしたい」「経済的に自立したい」「誰かに認められたい」という下位の欲求が無視されていると、キャリアは不安定になります。Havingを明確にすることは、このピラミッドの土台を一つひとつ確認し、盤石にする作業なのです。
自己決定理論と「外発的動機」の有効活用
心理学の「自己決定理論(デシとライアン)」では、自発的な「内発的動機」が重要視されますが、実は「手に入れたい報酬(外発的動機)」も、正しく自分の中で統合されていれば、強力な力となります。「この仕事を頑張れば、憧れの地に住める」「この成果を出せば、自由な時間が増える」。これらは、あなたのパフォーマンスを維持するための正当な対価です。Havingを言語化することは、自分自身と「未来の契約」を結ぶことであり、セルフマネジメントの根幹を成すものです。
「良い子」の仮面を脱ぎ、本音のエネルギーを解放する
就活のエントリーシート(ES)を書くとき、多くの学生が「御社の理念に共感しました」といった綺麗な言葉を並べます。しかし、面接官が本当に知りたいのは「あなたはこの仕事を通じて、どんな人生を手に入れたいのか」という、個人の熱量です。
Havingが明確な学生は、言葉に力があります。なぜなら、その仕事が「自分の人生を豊かにするための手段」として繋がっているからです。本音の欲求を肯定することで、あなたの言葉は借り物ではない、血の通った「メッセージ」へと変わります。
ドラッカーが指摘する「真の報酬」とは何か
ピーター・ドラッカーは、知識社会における労働者の満足について、金銭的な報酬以上のものを求めていると指摘しました。それは「責任」「機会」「そして自己成長」です。
ドラッカーの視点に立てば、Havingとは単にモノを手に入れることだけを指すのではありません。「自らの強みを発揮できる場を手に入れること」や「尊敬できる仲間とのコミュニティを手に入れること」も、極めて重要なHavingです。あなたが本当に手に入れたい「報酬」の定義を広げることで、キャリアの選択肢は一気に豊かになります。
地方というフィールドで手に入る「豊かなHaving」
都市部と地方を比較したとき、Havingの内容は大きく変わります。都市部では「高い給与」や「刺激的なイベント」が目立ちますが、地方の有志企業で働くことで手に入るのは「圧倒的な生活の質(QOL)」や「地域社会での確かな存在感」です。
広い家、短い通勤時間、新鮮な食材、そして何より「あなたがいないと困る」と言われる人間関係。これらは、お金だけでは買えない貴重なHavingです。全国の地方企業と協働する中で私が目にするのは、自分らしいHavingを賢く手に入れ、心豊かな人生を送る若者たちの姿です。
2章:Havingの解像度を上げる「ライフデザイン」の技法 ―具体性が行動を変える―
「幸せになりたい」という曖昧な言葉では、脳は具体的な行動を指示できません。Having(手に入れたいもの)は、映像として思い浮かべられるほど具体的にする必要があります。ここでは、プロのキャリアコンサルタントが用いる、未来を可視化する技法を伝授します。
5年後の「理想の1日」をシミュレーションする
Havingを具体化する最も有効な方法の一つが、未来のタイムスケジュール作成です。5年後の自分は、何時に起き、どんな部屋で朝食を食べ、どんな服を着て家を出るのか?
仕事の内容だけでなく、アフター5の過ごし方や、週末の趣味まで詳細に描き出します。この「イマジネーション」こそが、現在のあなたに欠けている「リソース(資源)」を教えてくれます。その理想の1日を実現するために、今、どんなスキルや環境を「Having」すべきかが見えてくるはずです。
「やりたくないことリスト」から逆説的に導き出す
「何を手に入れたいか」がすぐに出てこない時は、逆に「絶対に手に入れたくないもの(避けたい環境)」を書き出してみてください。「満員電車での通勤」「目的のない残業」「尊敬できない人との対話」。
これらを排除した結果、残るものがあなたの真に求めるHavingです。「静かな朝の時間」や「自分の裁量で進められる仕事」など、消去法で導き出されたHavingは、あなたの生存本能に根ざした非常に強力な指針となります。
資産の4分類:バランスの良いHavingを目指す
Havingを考える際、以下の4つの視点で整理するとバランスが良くなります。
- 経済的資産: 年収、貯蓄、所有物。
- 精神的資産: 満足感、自信、心の平穏。
- 人的資産: 友人、パートナー、信頼できるネットワーク。
- 経験的資産: スキル、資格、旅の記憶、困難を乗り越えた実績。
多くの学生が「1」に偏りがちですが、2~4の資産をどう手に入れるかが、人生の長期的な「豊かさ」を決定づけます。
社会的構成主義による「意味の創造」
キャリア心理学における「社会的構成主義(サビカス)」では、キャリアとは個人の主観的な物語であるとされます。
あなたが手に入れたいものは、他人が決めた「成功」ではなく、あなたが価値を認めたものであるべきです。例えば、「地方の古い民家を改装して暮らす」というHavingは、ある人にとっては不便な苦労かもしれませんが、あなたにとっては「クリエイティブな達成感」という最高の宝物になるかもしれません。自分の物語の主人公として、何に価値を置くかを主体的に決める権利を、皆さんは持っています。
「2024年問題」の先に求める「時間の自由」
今、社会で起きている変革は、私たちのHavingの優先順位を変えています。物流業界の変革などに象徴される効率化の波は、私たちに「時間の価値」を再考させています。
「忙しさに追われる毎日」を手に入れるのか、それとも「自分の時間をコントロールできる権利(自律性)」を手に入れるのか。これからの時代、最も価値のあるHavingは、所有物ではなく「自分の時間をどう使うかを自分で決める力」になるでしょう。地方の企業には、この自律性を尊重する風土が根強く残っています。
3章:【ワーク2】理想のHavingを可視化する「未来地図」作成

ステップ1:欲望のブレインストーミング(5分)
まずは「制限」をすべて外してください。お金、時間、才能、場所。すべてが自由だとしたら、あなたは何を手にしたいですか?
ブランド品、海外旅行といった物欲から、安心感、リーダーとしての地位、誰にも負けない専門知識といった精神的なものまで、思いつくままに30個書き出します。恥ずかしがる必要はありません。これはあなたとノートだけの秘密の対話です。
ステップ2:Havingの「仕分け」と優先順位
書き出した30個を「絶対に外せないもの(MUST)」と「あったらいいな(WANT)」に仕分けます。
次に、MUSTの中からトップ3を選んでください。これがあなたのキャリアにおける「コア・ハビング」です。この3つを手に入れるためなら、多少の苦労も厭わないと思えるか。自分自身に問いかけてみてください。この絞り込みが、迷った時の判断基準(軸)になります。
ステップ3:HavingをBeingと接続する
昨日作成した「Beingステートメント」と、今日の「コア・ハビング」を並べてみてください。
「誠実でありたい(Being)」というあり方が、「信頼できる仲間に囲まれたい(Having)」という欲求に繋がっているか。この一貫性を確認します。あり方と欲求が矛盾していない状態こそが、最もエネルギー効率の良い「自己一致」の状態です。
ステップ4:現実的な「獲得ルート」を仮説立てる
選んだコア・ハビングを手に入れるためには、どのようなキャリアステップが必要かを逆算(バックキャスティング)します。
「30歳までに地元で家を建てたい」なら、20代のうちにどれくらいの収入と信用が必要か。「自由な働き方を手にしたい」なら、どんなスキルを身につけるべきか。夢を「計画」に変えるための第一歩です。ここでもドラッカーの「目標管理」の考え方を自分に適用してみましょう。
ステップ5:Havingのアップデート予約
手に入れたいものは、成長とともに変わります。
今の自分にとってのHavingを確定させたら、手帳の3ヶ月後のページに「Havingの再点検」と書いておいてください。経験を積むことで、より高次な欲求に目覚める自分を肯定しましょう。常に変化し続ける自分をマネジメントすること。それがセルフマネジメントの醍醐味です。
4章:セルフマネジメントで「手に入れる力」を養う
Havingを思い描くだけでは、それは「妄想」で終わります。それを「現実」にするためには、自分自身を目標に向かって駆動させるマネジメント能力が不可欠です。
目標を「成果」に変換するプロセス
ドラッカーは、目標は「期待する成果」を定義することから始まると言いました。
Havingを単なる願望ではなく、具体的な達成目標に変換しましょう。「英語ができるようになりたい」ではなく、「1年後にTOEICで○○点を取り、海外の友人と議論できる状態を手に入れる」といった具体性です。この「成果の定義」が、日々の学習や行動の質を劇的に変えます。
「資源」としての時間を投資する感覚
学生の皆さんにとって、最大の資源は「時間」です。
あなたのBeingを守り、Havingを手に入れるために、今日という24時間をどう投資しましたか?消費(ただ流れる時間)や浪費(無駄な時間)ではなく、未来のHavingのための「投資の時間」を1日30分でも作ること。この習慣が、数年後のあなたに莫大なリターンをもたらします。
自己効力感(Self-efficacy)を育むスモールステップ
心理学者バンデューラが提唱した「自己効力感」は、「自分にはそれができる」という確信のことです。
大きなHavingを前に立ちすくむのではなく、今日1日で達成できる極小の目標を設定し、それをクリアし続けてください。「今日は本を10ページ読めた」「一言だけ勇気を出して質問できた」。この小さな「手に入れた実感」が積み重なり、やがて大きなHavingを掴み取る自信へと変わります。
「ネガティブ・ケイパビリティ」:答えが出ない時間に耐える
Havingを手に入れる過程では、思い通りにいかない時期が必ずあります。
その時に、性急に答えを出さず、不確実な状態を抱え続ける力を心理学で「ネガティブ・ケイパビリティ」と呼びます。思い描いたHavingがすぐに手に入らなくても、自分のBeingを信じて踏みとどまること。この「しなやかな強さ」こそが、不透明な時代のキャリア形成には欠かせません。
フィードバック・ループの構築
自分の行動がHavingに近づいているかを定期的に客観視する仕組みを作ります。
1週間に1度、15分だけで構いません。「今週の行動は、私の手に入れたい未来に繋がっていたか?」と自問自答してください。ドラッカーが説いた「フィードバック分析」を簡略化したこの習慣が、あなたのキャリアの軌道修正を容易にし、目標達成の確度を高めます。
5章:地方の企業と共に、最高のHavingを創り出す
記事の締めくくりとして、地方という舞台が、皆さんのHavingを実現するためにどれほど魅力的な場所であるかをお伝えします。
「若手の裁量」という名の、成長機会の獲得
地方の中小企業は、慢性的な人材不足という課題を抱えています。しかし、それは裏を返せば「若いうちから重要な役割を任せてもらえる機会」が豊富にあるということです。
大企業で10年かかる経験を、地方企業なら3年で手に入れられるかもしれません。「圧倒的な成長速度」というHavingを求めているなら、地方はまさに最高の修行の場となります。
「コミュニティのハブ」としての自分を手に入れる
地方で働くということは、単に一企業の社員になることではありません。地域社会の中の一員として、顔の見える関係性の中で頼りにされる存在になることです。
「自分が必要とされている」という確かな手応え、そして多世代にわたる豊かな人間関係というHavingは、孤独を感じやすい現代社会において、何物にも代えがたい精神的な資産となります。
有志企業のHR担当者が、あなたのHavingを支援する
「あおラボ」が協働している地方の有志企業の皆さんは、学生を単なる労働力として見ていません。
彼らは「あなたの人生をどう豊かにするか」を、本気で一緒に考えたいと願っています。「家を建てたい」「新しいプロジェクトを立ち上げたい」「家族との時間を大切にしたい」。あなたのHavingを尊重し、それを実現するための環境を共に整えようとする温かい経営者たちが、全国の地方にはたくさんいます。
「2024年問題」を乗り越える、新しい共創の形
労働人口が減少する中、地方企業は「働きやすさ」と「甲斐」の両立に必死に取り組んでいます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した効率化や、柔軟なワークスタイルの導入など、地方から新しい働き方のモデルが生まれています。皆さんが持つ新しい感性とHavingへの欲求は、これらの企業をアップデートするための貴重なエネルギーになります。
新年度、まずは「未来を欲しがる」自分を許そう
最後に、今日この記事を読んでいる27卒~29卒の皆さんへ。
「まだ先のことだから」と自分を律するのではなく、今のうちから「最高の未来を欲しがる」自分を許可してあげてください。
あなたのBeingに基づいた、純粋なHavingを描くこと。それができた時、就活は「苦しい義務」から「夢を叶えるための冒険」へと変わります。あおラボは、あなたのその冒険を、最高の情報と伴走支援で支え続けます。
まとめ:Havingを描くことで、あなたの人生は動き出す
連載第2回目、いかがでしたでしょうか。
今日は「Having(手に入れたいもの)」という、キャリアを動かすエネルギー源について深く向き合ってきました。
- 1章: 欲求を隠さず、モチベーションの源泉として肯定する重要性を学びました。
- 2章: 理想の1日や資産の4分類といった、解像度を高める技法を解説しました。
- 3章: 「未来地図」作成ワークを通じて、自身のコア・ハビングを特定しました。
- 4章: 手に入れるための具体的な「セルフマネジメント」の習慣を提示しました。
- 5章: 地方というフィールドでこそ叶う、豊かなHavingの可能性をお伝えしました。
昨日の「Being」があなたの「根」だとすれば、今日の「Having」はあなたが咲かせたい「花や実」です。どんなに立派な根があっても、どんな花を咲かせたいかという願いがなければ、成長の方向は定まりません。
「何を手に入れたいか」を語ることは、わがままではありません。それは、自分の人生を最後まで愛し、責任を持つという決意表明です。今日描いたその未来を、決して諦めないでください。
明日の最終回は、いよいよこれらを統合し、社会への貢献へと繋げる「Giving(社会にどのような影響を与えたいか)」、そして3日間の集大成としての「言語化」へと進みます。
あなたの「欲しい」が、誰かの「ありがとう」に変わる瞬間。それを一緒に見つけに行きましょう。
記事を読んで「もっと深く自分のセルフマネジメント力を高めたい」「このワークを就活にどう活かすか、個別のアドバイスが欲しい」と感じた方は、ぜひ「あおもりHRラボ」にご相談ください。
あおラボでは、Webを活用した個別ワークゼミや、あなたのキャリアに寄り添う伴走スタイルキャリア相談を実施しています。自己理解を深め、自信を持って就職活動に臨むための支援を全力で行っています。お気軽にお問い合わせください。